ファッション業界に携わるものとして、フォーマルスーツに少し詳しくなりたいと思い、アマゾンで【フォーマルスーツ】と検索したところ、出てきたのはたった1冊だけ、、アマゾンでもこんなものかな、、と思いつつも作者の経歴と1冊¥2000という価格、ネットでの買い物に今までほとんど失敗したことがない、、などを総合して購入を決めた。まず、届けられた荷姿をみて少し不審、開けて落胆というところです、、なんとなく、自費出版的な装丁なのですが、¥2000もするんだからなにかあるはず、、と「あいさつ」的な見開きの文章を読んでみるとどうやら第3刷らしく、この版では少し加筆したらしい。少しホッとして勇気を取り戻し、読みすすむうちに、「好きなスーツ・似合うスーツ」的な作者の意見がありました。この作者、結構文章がうまく女性なのに男性的で語尾がきつい。作者がいうには、人の着ているものはとやかく言うくせに、自分が似合わないスーツを着ていることでずいぶん損していることには案外気がつかないものだ・・。ファッション業界に携わるオーダースーツ店の店長としては、これには一家言あり、なかなか似合うスーツと好きなスーツの定義は難しい。基本は好きなスーツが似合うスーツなのだと思うが、実は好きなスーツは似合わなく、似合うスーツはその人の好みとはまったく別のところにあったりする場合、、普段着ないたぐいの衣類を試しに着てみたら、なんだかものすごく似合ってしまった、、というようなケースはよくあるもの。似合うスーツは誰に見せるかとか、どこで着るかなどのTPOも洋服の場合、選ぶのに必要な要素、、好きなスーツは着ている本人が似合っていると思っているからで、そのご本人様の意思を自分も含めショップの店員さんが覆すのは案外難しいです。自信をもって着れる好きなスーツが似合うスーツだと、、いっておいたほうが当てはまるケースが多いと思いました。
静岡のオーダースーツ店 Pitty Savile Row掲載サイト