オーダースーツ

コートの種類

コート

ジャケットをも含んだ長めのアウターウエアの総称。 一般にはオーバーコート、レインコートなど衣服の一番外側にに着られる袖付きのものをさすが、モーニングコート、ライディングコート、などのジャケット類に属するものもこの名称が付けられることがある。概して丈の長さで区分する。

バーバリー

ロンドンのバーバリー社で、トーマス・バーバリー親子によって発明されたレインコートの商品名。綾織りで防水加工がほどこされた綿布で仕立てられている。このレインコート地のこともいう。現在では、類似したレインコート地を総称して呼ぶことが多い。有名なトレンチコート※はその代表的な産物である。バーベリーと発音するのが正しい。

ピーコート

ダブルブレステッドで丈の短いスポーティなコート。 イギリス海軍の艦上用コートとして使われ、船員がよく着ていた。前合わせが、左右どちら合わせにもでき、さらに大き目のリーファーカラーが付けられていることで、船上での防風を意識したものである。両脇ポケットの上に、マフポケットがつくのも特徴。生地にネイビーブルーのメルトン地を使うのが本格的なものである。

ピージャケット

ピーコートの別名。 ピーとはオランダで織られていた厚手の生地の名称である。1850年代アメリカ海軍、イギリス海軍の制服として採用されたもの。ブリッジ(艦橋)などで見張り用の防寒コートとして着られたため”ウォッチコート”、”ブリッジコート”とも呼ばれる。

リーファー

ダブルブレステッド6つボタンの厚手紡毛地から作られた短い丈のボックスコート※。リーファーは「海軍少尉候補生」の俗称で、彼らの制服をリーファージャケットと呼ぶ。本来、リーファーは「帆を巻き上げる」の意味であり、これを任務とした海軍少尉候補生はミッドシップマンという。またリーファーはウールで作られた長い長方形のマフラーをいうこともある。

タイロッケン

ダブルブレステッドでボタンがなく、共地のベルトでウエストを締める型のコート。本格的なものはベルトが前1ヵ所、後ろ1ヵ所で美錠留め※になっている。もともと、ロンドンのバーバリー社のデザインになるもの。ラップ(巻きつけ)式のセーターなどの流行で、リバイバルしている。

ダッフルコート

代表的な防寒コートの1種。 フードが身頃からつながり、ダブルブレステッドの前合わせがトッグル(浮子形の木片)をロープで留める形になった。比較的ショートレングスのコートである。もともと、ベルギーはアントワープ付近の都市「ダッフル」で織られている、ダッフルクロース※と呼ばれる厚手の毛織地で仕立てられた北欧の漁夫用コートであったが、第二次世界大戦中、イギリス海軍が北海警備の勤務用に採用したところから、急速に一般化した。現在では、ダッフルクロースを使うことはほとんどなく、メルトンなど厚手の生地を使っており、スポーティで機能的なところがうけている。

トッグルコート

ダッフルコートの別称。 ダッフルコートは、トッグルを特徴としているため、この名称がある。トッグルとは「浮子型の留め具」のことである。北欧の漁夫たちに愛用されていた名ごりである。

トップコート

春秋のシーズンに用いられる薄手のコート。 「合いコート」であり、ごくオーソドックスな型のビジネスコートとされている。スプリングコートの別称もある。これは春に着られるためのコートの意だが、最近ではトップコートと呼ぶ場合の方が多い。

アラスカンコート

アラスカンシールスキン(アラスカ産のオットセイの毛皮)で作られたコートのこと。また、その毛皮に似た生地、たとえばまだら模様のダーク・ブラウンのベルベットなどで作られたものも、この名称で呼ぶ。以上は本格的なアラスカンコートだが、一般的には部分部分にファー(毛皮)をあしらった防寒用コートを意味する場合が多い。”ファートリミングフード(毛皮が付けられたフード)などが特徴。

アルスターコート

トレンチコートの原型ともされた、ダブルブレステッドでベルト付きとした丈の長いコート。本格的なそれは”アルスター”と呼ばれる厚手のコート地が使われる。このコートの衿型を、特に”アルスターカラー”といい、他にも多く使われている。

アルスターレット

アルスターコートまがいのコートの意味。 アルスターコートをやや簡便にし、軽快感を強調したものである。前合わせは深いダブルブレステッド、衿はアルスターカラーと同じだが、バックベルト※がつくのと、丈が多少短いという違いが見られる。”アメリカントレンチ”の別称もある。

スタジアム・コート

スタジアムは「競技場」のこと。 フットボールなどのスペクテーターウエア※として用いられる防寒コートの1種。ニーレングスで胸にヨークの切り替えをいれ、衿から裏にかけてボアやニットを使う。防水したギャバジン、カルゼなどで作られることが多く、防寒・防水の機能は万全である。

オール・ウエザー・コート

全天候型のコート。 晴雨兼用の機能をもつコートの総称である。”ウエザーコート”の略称もあるがあ明確なスタイル(型)があるわけではない。主に、コットンや合繊生地で作られ、ニーレングス※のスポーティなものである。トレンチコートもこのタイプのコートだといえる。

スリーシーズン・コート

夏季をのぞいた3シーズンを通して着られるようなコート。 取り外し可能なライニング(裏地)をつけて、温度調節をはかるようにされている。

ガーズマン・コート

ガーズマンとはここでは「イギリス陸軍の衛兵」のことをいう。彼らが着用していたコートのことで、ダブルブレステッド、長いベルト付きを特徴としたもの。軍服だけに一般のダブルブレステッド型のコートに比べて裾の周りが大きく、バックのセンターに内ヒダ※がとられ、大型の衿が付けられている。”ガーズコート”の別称もある。

カメラマン・コート

比較的新しいネーミングのスポーティなコート。 デザイン的に特徴があるわけではなく、戸外での影響が多いカメラマンのための機能的な防寒コートという意味あいがある。したがって素材はコットンギャバジン、コットンスエードなど軽くてもがっちりした生地を使い防水、防寒用に備えている。丈は歩きやすさを考えてスリークォーターレングス。なによりも特徴のあるのはポケットで、持ち物が機能的にかつたくさん入るように大きく作られ、多くは両胸にタテ型のフラップポケット、両脇に同じく胸と同じものをつけるか大型のパッチアンドフラップポケットとしている。内側をジッパーフロントにしたフライフロントの前あわせで、ドットボタン※をアクセントとする。衿は種類も変化も多いが、フード付きのものが主である。

アフガンコート

アフガニスタンの民族衣装の1種。 毛足の長い粗いタッチの毛皮と、黄、赤、青などカラフルなアフガン模様を特徴としたロングコート。毛皮は裏地に張られ表まであらわれている。しゃれた防寒コートとしては最適だが、独特の臭いが気になる。同じデザインで”アフガンベスト”もある。フォークロア・ファション※のひとつとして人気がありアフガニスタンコートとも呼ばれる。

キルティングコート

キルティング(2枚の布の間に木綿、または合繊の綿をはさんでステッチ留めをした素材)で作られた防寒用コートの総称である。スキーウエアに使われる派手な色のものから、冬期の現場作業に使われる丈の短いものまで、幅広い用途がある。

グレートコート

毛皮裏を付けた重々しい感じのコートの総称。 ビッグルック全盛のおり、こうしたコートが注目された。

サーコート

ジャンパーとショートコートの中間に位置するデザインと感覚のコート。俗にロングジャンパーと呼ばれている。もともとの意味を和解すると「陣羽織」となる。

スパニッシュ・コート

スパニッシュカラー(ニットでタブ付きの大きな衿)を特徴としたコート。スポーティなカジュアルコートの1種である。コーデュロイなどのコットン地が素材として多く用いられる。

スリッカー

防水用コートの1種。 以前はゴム引きの布地やラッカークロースで作られた大型のコートを意味したが、現在では一般にラッカー・クロース※、エナメル・クロースで作ったものをさしている。簡単にいえば、「立衿型の雨合羽」である。

テニスラッパー

テニス競技の前後に羽織ったシンプルなダブルブレステッドコートのこと。

トウコート

スリークォーターレングスでダブルブレステッドの毛足の長いコート。トッグル(浮子型の木片)で前合わせを留める。冬季のスポーツ用に使うものである。これに似たコートにダッフルコート、ローデンコートがある。

ドンキーコート

ニットのショウルカラーを特徴としたフィンガーチップレングスからスリークォーターレングスまでのカジュアルな防寒コート。デザインとしては昔からあったが、かっこうのネーミングがなかったためこの新名称がつけられたもの。綿バーバリーなどの素材で作られ、色はダスティな感じのモスグリーン、ベージュ、ブラウンが多い。ラグランスリーブ※、大型のポケットなど機能的な面にも気を遣い、レザーボタンをアクセントにすることもある。見るからに質実剛健な感じのするトラディショナル向きのコートである。

ハドソンベイ・コート

厚手の紡毛地でできたダブルブレステッド6つボタンでベルトつきのアウターコート。白またはオフホワイトの表地でベルトしたの部分や袖口に2本または3本のカラフルな横縞が入れられるのが特徴。外観、ディテールともピーコート※と同じで、つまりはカナダ版ピーコートということになる。

ファーコート

ファー(毛皮)で作られたコートの総称。 防寒用のウォームコートで、近頃はファッショナブルなタウンウエアとしてメンズ衣料にも多く着られている。素材のバリエーションは多方面にわたる。

ブリティッシュウォーム

第一次世界大戦にイギリス陸軍士官が着用したダブルブレステッドの厚手のコート。ポロコートを軍服に採用したもので、”ブリティッシュウォーマー””ブリティッシュウォームコート”という場合もある。また、ポロコートの別称ともなっている。

ベンチウォーマー

本来はアメリカンフットボールの選手が待機用にベンチで着た防寒コートのこと。メルトンなど厚手生地を一枚仕立てで大型のパッチポケット、フードつき、ジップフロントを特徴としたスリークォーターレングスのものである。

ポロコート

キャメル地で作られたスポーティな、ダブルブレステッド、6つボタンを特徴とするコート。ポロ競技の観戦用に使われたことから、この名称がある。衿はゆったりとしたピークドラペル、バックベルト付き、両脇に大型のパッチアンドフラップポケット※、袖口にカフス(折り返し)が付いている。丈はスリクォーターレングス、袖はセットインスリーブないしはセミラグランスリーブ、全体にステッチが付けられているのも大きな特徴となっている。トラディショナルモデルの代表的なコートである。

マッキノー

丈の短いダブルブレステッドの厚地のコート。 防寒用に多く使われ、マッキーノ地独特の格子柄が特徴となっている。ベルト付きで両肩に切り替え※が付き、ポケットの位置が低めのフラップポケットである。アメリカミシガン州のマッキノーにちなんでこう呼ばれている。

マッキントッシュ

1823年、スコットランド人チャールズマッキントッシュによって発明されたゴム引きの防水布で作られたショートレングスのルーズなレインコート。マックとも呼ばれる。1836年ごろから永く着られたが、1900年代初期にバーバリーが登場するに及んでその立場を入れ替えた。

ライナーコート

ウールなどの保温のため裏地が取り外し式になったコート。 また、その裏地自体をコートとして使用するものもいう。省エネの目的からも注目される新アイテム。

ラップコート

ベルトで体を巻きつけるようにしたコートの総称。 多くはダブルブレステッドで、ボタンがなく、ベルトは共地で作られている。タイロッケンがその代表。

ランチコート

ランチとは「牧場」のこと。 アメリカ西部の大牧場でカウボーイたちが着た防寒コートをいう。フィンガーチップレングス※で裏地にボアなどを張り、それが衿などにつながっている。本格的なものはスエードで作られているが、コットンスエードで代用してタウンウエアにすることが多い。デザインバリエーションは多いが、全体にウエスタン調を基本にしている。

ランバーコート

ランバーとは「材木」のこと。 主にきこりたちが愛用した丈の短いコートのこと。ボールドな格子柄の厚手生地で作られることが多い。

ランバージャック

ランバーコートの別称。 lumber jackとつづれば、「材木切り出し人」の意味になる。

リバーシブルコート

裏返しにしても着られる両面コートの総称。

ルダンゴト

ライディングコートがフランス語になまったもの。 17世紀末から18世紀にかけての男性の日常服であったジュストコール※の上に用いたのが始まりとされる。ジュストコール、ルダンゴトの両方とも、現代の男子服の原型とされる。

フーデッドコート

フード付きとしたコートの総称。 ダッフルコート、ベンチウォーマー、アラスカンコートなどが代表的なもの。

オイルスキン

油布でできたレインコート。単に油布、防水布も意味する。

レインコート

雨の降る日に着られるコートの総称。 現在ではことさら雨天だけを対象にしたコートという考え方は少なく、トップコートやトレンチコートがコートのすべての機能を満たしていることが多い。狭く考えるならば、防水加工をほどこしたそれだけをレインコートの名称で呼ぶ。スリッカー。

ローデンコート

アルプスのチロル地方で使われる、ごく厚手の、毛足のある生地がローデンクロスである。この生地で作られた厚ぼったいコートで、ダブルブレステッド、前後にヨークを付け、トッグル(浮子型の木片)留めまたはボタン留めとされる。

日時: 2011年02月03日 11:50 |

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