オーダースーツ

コートの型の種類

ステンカラー・コート

ステンカラー(コンバーチブルカラー※の1種で、第一ボタンをはずしてもかけても着られる二重衿のこと)を特徴としたコートの総称。多くはラグランスリーブ、フライフロント仕立てでニーレングスタイプの代表的なものでサラリーマンの必需品とさえいえる。なお、この衿型はただしくは”スタンドフォールカラー””ターンオーバーカラー”などと呼ばれ、「ステンカラー」は和製英語である。ちょうど、人台(洋裁店などに見られる首なしの半身像)を”スタン””ステン”と表現するのに似ている。フランス語のスーティアン”(支えの意)を語源とする説は、時代的に説明できないなどの理由で間違いだといえる。

セミステンカラー・コート

ステンカラーの衿腰を低くしたか、まったく省略した衿(セミステンカラー)を特徴としたコートの総称。ステンカラーコート。

チェスターフィールド

オーバーコートの1種。 もっともドレッシーなコートとされ、フォーマルウエアのアウターコート用に使われるほか、おしゃれなタウンコートとしての用途も多い。多くは、シングルブレステッド、ノッチドカラーで、前合わせがフライフロント仕立て※とされている。胸にウエルトポケット、両脇にフラップポケットが付く。全体のシルエットはウエストを絞り、細身である。本格的なものには上衿にビロードがかけられている。こうしたもののほかに、ダブルブレステッド4つボタン、ボタンスルー仕立てのシングルブレステッド3つボタンなどデザインの変化したものがある。19世紀後半に流行し、現在なお人気のある伝統的コートである。

バルマカーン

深袖ラグランでバルカラーを特徴としたスポーティなコート。 レインコートとしても用いられる。スコットランドではインバネスに近い地名からこの名称がある。

トレンチコート

キングオブメンズコートの異名さえ付けられる。 もっとも代表的な男のコートである。ダブルブレステッドでベルト付きとなっているのが第一の特徴。肩にエポーレット、背中のケープ型のヨーク、ガンパッチ(※1)、チンウォーマーなどディテールデザインは複雑に、かつ機能的に取り入れられている。第一次世界大戦中、イギリス陸軍が塹壕(トレンチ)戦用に開発した故事来歴はあまりにも有名。生地は防水加工を利点とするバーバリーを使ったものが本物だが、近頃ではコットンタイプに加えて、ウールのそれも多用され、色柄的にも変化が多い。「完成された機能の極限がもっとも美しい」とは、このコートに最適な言葉である。

ボックスコート

ストレートハンギングラインで、セットインスリーブ※を特徴としたオーバーコートやトップコートなどの総称。多くは背広型のデザインで、前合わせはフライフロントもしくはボタンスルーとされる。

日時: 2011年02月03日 11:30 |

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